お知らせ

糀が醸す芳醇な風味

味噌の出来を決める麹づくり—
“抜け掛け製法”と、朝と夜の“切り返し”

味噌の質を決める要、山万が麹づくりにすべてを注ぐ理由

味噌づくりの工程は、麹づくり、大豆の仕込み、麹と大豆と塩を合わせる混合・熟成の三つに大別されます。その中でも要となるのが麹づくりです。山万味噌では「味噌の質は麹で決まる」という考えのもと、日々、丹念な作業を積み重ねています。

まずは、ひと晩浸漬した米を大釜で蒸し上げます。私たちが採用している“抜け掛け製法”は、米を四層に分けて段階的に蒸すことで蒸しムラを防ぐ方法です。米の状態に合わせて浸漬と蒸しの時間を調整し、その判断には長年の経験による確かな目が欠かせません。

味噌づくりの写真
味噌づくりの写真

国産丸米と温度の攻防、香りを育てる麹づくりの現場

使用するのは、国産の丸米。粉砕米や未熟米ではなく、良質な丸米を選ぶことで麹菌が均一にのり、香りも旨みも引き立ちます。蒸し上がった米は冷却後、麹菌を丁寧に種付けし、温醸庫でひと晩休ませます。麹菌は高温でも低温でも育たないため、温度管理は麹づくりの肝となります。夏場は34℃、冬場は36℃前後が目安で、ここにも職人の判断が生きています。

麹が発熱し始めた翌朝、麹室へ移し、“朝の切り返し”を行います。固まりをほぐしながら全体を均一にし、温度の上昇を抑える大切な作業です。その日の夜には“夜の切り返し”を行い、再び温度を整えます。麹の進み具合を見ながら、手の感覚で微調整を続けることで、均質で香り高い麹が育ちます。

この作業は重労働ですが、毎日積み重ねることでようやく品質が安定します。翌朝、栗の花のような甘い香りが立ちのぼれば、麹がうまく醸された証拠です。よい麹で仕込んだ味噌は、照り、香り、深みが違います。生きた酵母を扱う以上、毎日の仕上がりにはどうしてもわずかな差が生まれます。その幅を最小限に抑え、安定した味に仕上げることこそ、味噌づくりの永遠のテーマだと私たちは考えています。

信州みそ、三種類の糀

米、発芽玄米、麦米、それぞれに麹菌を種付けすると、見た目も味も違う麹になるが、いずれもいきいきと粒が立ち、美しい


米麹

蒸した白米に麹菌を種付けしたもの。表面の中心部も真っ白で、栗の花の様に甘い香り

発芽玄米麹

発芽した胚芽のやわらかい部分から麹菌が入り込み、米の中心部が真っ白で風味豊かな麹に。

麦米麹

麦と米を合わせてから蒸し上げ、麹菌で種付け。風味と甘みの押す上効果でうまみがより引き立つ麹に。

山万の麹が生み出す、合わせ味噌と発芽玄米味噌

麹の力を最大化する、麦と米を同時に仕込む合わせ味噌

山万味噌ならではの商品として、合わせ味噌と発芽玄米味噌があります。いずれも麹づくりへのこだわりが生み出した、当社を象徴する味わいです。

一般的な合わせ味噌は、完成済みの味噌を二種類以上合わせて作られます。しかし私たちの「信州麦米麹合わせ味噌」は、麦と米を合わせた“麦米麹”そのものを仕込んで作り上げる方法を採用しています。二種類の酵素が掛け合わさることで力強い麹となり、麦の香ばしさと米の甘みが調和し、深みのある味噌に仕上がります。

だし要らずの深みへ、発芽玄米麹が導いた山万の到達点

さらに、三代目が開発した「蔵出し量り売り 発芽玄米味噌」は山万のオリジナリティを象徴する存在です。発芽した胚芽のやわらかい部分に麹菌が入り込み、米の中心部までしっかり届くことで、真っ白で美しい発芽玄米麹が生まれます。一般的な玄米麹は表皮を削って麹菌を入れやすくしますが、発芽玄米麹は玄米の表皮を削らずともそのまま麹にできる点が特徴です。

発芽玄米の甘みと旨み、香ばしさのおかげで、だしを入れなくても深い味わいの味噌汁になります。キュウリや野菜にそのまま付けて食べても相性がよく、食物繊維とGABAを含む点でも魅力的な味噌です。

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